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家のカギは閉めた…よね? 気になり過ぎるときは「強迫性障害」の可能性も

2018-03-14

マンションの廊下

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ

本人の意思に関係なく、繰り返し起こってくる拭い去れない不快なイメージ。
そんな考えから生じる不安にかきたてられた行動。
どちらも本人は、無意味だとかやり過ぎとわかっていても止められません。
こうした状態がいきつく精神疾患を「強迫性障害」といいます。

1.強迫性障害:強迫観念と強迫行為を主症状とする不安障害

自分の意思に反して迫ってくる不快なイメージを「強迫観念」と呼びます。
また、強迫観念から起こる不安によって、「~しないではいられない」行為に及んでしまうのが「強迫行為」です。


強迫性障害(OCD:Obsessive-compulsive disorder )に共通するのは、強迫観念と強迫行為です。

たとえば、手が全然きれいになっていないと思い、何度も何度も洗い続けるとか、外出時に鍵をかけ忘れたのではと不安がこびりついて、いく度も確かめなおすといった行為が、儀式とも呼ばれる強迫行為の例です。

強迫性障害は、DSM-5(精神疾患の分類と診断の手引き:アメリカ精神医学会、最新版)では不安障害のひとつに分類されています。

不安が高じて生活に支障をきたしてしまうのが不安障害です。

2.強迫性障害の種類:8つのパターン

強迫観念とそれに基づいた強迫行為のパッケージによって起こる「強迫性障害」。
よくみられるパタンが、次のように挙げられています。


2-1.不潔恐怖・洗浄恐怖

手を洗い続けたり、シャワーを浴び続けるなど、自分や家族、大切なものが汚染されているという強迫性。


2-2.加害恐怖・確認強迫

ガスの消し忘れや鍵のかけ忘れなど、自分の過失が事故や災害につながることを恐れ、確認を何度も繰り返す。


2-3.縁起強迫

4や9を避ける、風呂には必ず右足から入るなど、縁起の悪いことが災いをもたらすことを恐れ、縁起の良いことやジンクスを何度も繰り返す。


2-4.収集癖

新聞や雑誌など、後で捨てたことを後悔しないように、どんどんとため込んでしまう。


2-5.強迫性緩慢(きょうはくせいかんまん)

朝着替えをするときに、今日の天気なら洋服の色と素材は・・・。
約束の相手の好みからすると・・・。
出かける場所からすると・・・。
次に、ズボンは・・・。
と「メンタルチェッキング」と呼ばれる頭の中でのシミュレーションをずっと続けていて、フリーズしたような状態になってしまう。
しかも、途中で雑音などが入ると、一からやり直す。


2-6.不完全恐怖

たとえば、全巻30冊のマンガ本が左から右に向けて、1~30の順にきちんと並んでいないと気が済まないとか、知りたいことがあって調べているうちに、どんどん疑問が湧いてきて追求し続けるなど、自分の決めたルールを完璧に守らないと気がすまない。


2-7.疫病恐怖・洗浄強迫

血液、排泄物、唾液、ウィルス、食器などがトリガーとなって、慢性的な経過をたどりながら生きながらえる病気にかかることを極端に恐れる。たとえば、AIDSや肝炎など。そのため、手洗いや入浴を繰り返す。


2-8.不道徳恐怖・懺悔恐怖

悪い考えを思いついては誰かに告白し、「大丈夫」といってもらって安心することを繰り返し行う。不道徳なことを思いついては懺悔することを強迫的に繰り返して、だんだんと内容が過激になっていくこともある。

3.純粋さや完全主義の病理?

専門家によると、強迫性障害の特徴は次のように記述されています。

「自分のこだわることに対する徹底した取り組み方や、細胞の奥の奥まで純粋で、心の底まで潔癖であり続けようとする完ぺき主義、寸分違わぬピチッとしたはまり具合を追及する職人芸など」(引用:原井宏明・岡嶋美代『やさしくわかる強迫性障害』ナツメ社、2015. P.2)

これによると、強迫性障害は純粋さや完全主義の病理ともいえるでしょう。

4.脳の自己免疫疾患?

免疫システムが外敵ではなく自分に向いてしまう病気を「自己免疫疾患」と呼びます。
アレルギーなどもこのひとつです。

強迫性障害もこれと同じように、脳の自己防御システムがリスクに備えて機能することが、結果として余計なところで過剰に反応しているのではないかという説が、強迫性障害の原因として考えられています。

専門医によると、清潔で便利で、しかも危険にさらされないような生活、あるいは、狭い空間でも不自由のない生活、たとえば、休日にインターネットやゲーム、食事はコンビニ弁当で済ませ、暇を持て余しているといった状態が、強迫性障害発症の温床となるとのこと。

多少不便で、自然に触れる機会が多いような生活が、強迫性障害の予防になるともいえるかもしれません。

【参考】
・原井宏明 岡嶋美代『やさしくわかる強迫性障害』ナツメ社、2015.
・いしゃまち『細かいことが気になる…強迫性障害の症状と原因とは』(https://www.ishamachi.com/?p=8746)
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供


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