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『骨折するとその骨は強くなる』 これ本当?

2018-02-23

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ

“骨を折ると、その部分が強くなる…”
そんな話を耳にしたことはありませんか。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
今回は「骨折」をテーマに、症状や種類、治療法、骨の強化などについてご説明しましょう。

1.骨折とは

骨が壊れた状態を骨折といいます。


骨折といっても幅広く、ヒビが入るのも骨折ですし、骨の一部が欠けたり、凹んだり、砕けたりするのも骨折です。

骨折は、骨に力がかかって発生します。
健康な骨は強い大きな力がかからないと骨折しませんが、骨全体が弱っていたり、骨の一部が溶けていたりすると、弱い力でも骨折してしまいます。

骨折すると、ひどいときは動けなくなって外見も変形したりします。
動かすと強い痛みを伴い、その後、患部の周辺が赤く腫れあがったり不自然に変形したり、本来曲らない方向に曲がってしまうようなこともあります。

皮膚の下で骨折した場合は内出血を起こしますが、折れた骨が皮膚を突き破ると激しく出血して、顔面蒼白となりショック症状を引き起こすこともあります。

単なる打撲や関節脱臼でも似た症状が出ますので、診断を確定するにはレントゲン写真を撮る必要があります。

2.骨折の種類

おもな骨折の種類を以下に挙げてみました。

2-1.皮下骨折

皮膚に損傷はなく外見ではわかりませんが、皮膚の下で骨折している状態です。
内出血によるあざができて、最初は紫色のあざで、その後、黄色や緑色に変色します。

2-2.関節骨折

関節の骨折で、足首や肘に起こることが多いです。
関節は皮膚のすぐ下にあるため、複雑骨折になる場合もあります。

2-3.複雑骨折

解放骨折ともいいますが、患部の皮膚が破れ激しく出血します。
傷口から細菌が入る危険性があり、一刻も早い治療が必要です。

2-4.剥離骨折

靭帯・腱の結合部から小さな骨が剥がれた状態です。
手や足、足首に起こりやすい骨折です。

2-5.疲労骨折

特定の部位に負担をかけ続けてその部位の骨が弱くなり、骨折を起こします。
とくに陸上やサッカー選手などがなりやすく、部位は足や腰に多くみられます。

2-6.圧迫骨折

骨がつぶれた状態になる、腰椎や脊椎に起こりやすい骨折です。
骨粗鬆症の場合、知らないうちに体の重みで腰椎などに骨折を起こしていることもあります。

2-7.粉砕骨折

骨がバラバラになってしまう骨折です。
事故などで骨が大きな衝撃を受けたり、骨粗鬆症で骨が弱くなった人が転倒したりして起こります。


2-8.病的骨折

通常ならば骨折には至らない、病的な状態の骨折で、比較的軽い外からの力で折れてしまいます。
たとえば骨の腫瘍がんの骨転移、先天的な骨の疾患などで、一般的に良く知られているのは骨粗鬆症でしょう。

3.骨折の診断

症状を診てレントゲン写真を撮ります。
レントゲン写真に写りにくい骨折のときは、CT検査をします。
小児の骨は、レントゲン写真に写らない部分があり個人差も大きいので、骨折していない方のレントゲン写真も撮って比べる場合もあります。

4.骨折の治療

骨には生きた細胞があり、骨折しても治る能力を持っています。
しかし、条件を整えないと骨はつきません。

骨折部のズレが小さく、動きも少なく、骨折部に元気な細胞がたくさんあれば、つきやすいものです。
ですから、手術をせずに治すときは、骨折部がグラつかないようしっかりと固定するためにギプスを作るのです。

手術の場合は、皮膚を切開した後、骨折部がズレたり動いたりしないように金属製の板や棒を入れますが、骨折部の生きた細胞にも配慮します。

治療法や治癒日数は、折れ方やその人の状態により千差万別です。

骨折部は安静のためにギプスをしますが、それ以外の周囲の関節や筋肉は動かした方がよい、とされる事例が多いです。

一般的には、骨折したら整復や固定後、骨の自然な修復を待つのですが、最近、超音波を当てて骨の癒合を促進させる治療法が広がっています。

1日20分ほど治療器を骨折部に当てると、癒合までの期間を短縮できるといわれています。

5.骨折の予防

骨折の予防には、「何事においても事前の準備が必要」という意識づけが大切です。

つまり、運動をする前には十分な準備体操、車は安全運転でシートベルト着用、飲酒は泥酔状態を避けるなど、日常生活でごく当たり前のようにしている注意を怠らない、ということです。

また、高齢者は家の中でも骨折する危険性があります。
手すりや滑りにくい靴下、骨粗鬆症対策なども必要になってきます。

6.骨折すると骨は強くなるのか

さて、いよいよ、この記事のタイトルにもなっている問題です。

結論として、骨折が治る過程で骨折部分が一時的に元の骨より太くなることはありますが、やがては元の骨と同じようになっていきます。

ですから、骨折をして以前よりも骨が強くなる、ということはありません

7.骨を強くするためには

それでは、どうしたら骨は強化できるのでしょうか。
骨を強くするには、骨に負荷をかける運動が効果的です。
高齢者も次に紹介する運動をすることで骨の強化が期待できます。

7-1.片脚立ち

・片方の足を5~10㎝程度上げて、反対側の脚で1分間立つ
・反対側も同じ様に行う
これを左右1日3セット位おこないます。

立っている方の脚の付け根に負荷がかかり、骨密度があがります。
ただし、バランスを崩したときのために、すぐに机や手すりにつかまれるような場所でしましょう。

7-2.スクワット

・両脚を肩幅よりも少し広めに開き、足先は30℃位外側に開く
・腰を後ろに引くように、膝がつま先よりも前にでないようにして、膝を曲げる
以上を1日5~15回を2~3セットおこないましょう。
膝を曲げるのは5秒、3~5秒で元に戻します。

また、日常生活において、これらの運動をこまめに取り入れてもよいでしょう。
たとえば、歯磨きをしながら片脚立ち、歌に合わせてスクワットなど、楽しみながら長く続けて、強くて健康な骨を作りましょう。

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供


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