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ごく身近にある健康チェック… それはあの時の「色」と「におい」

2018-06-01


執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

私たちの身体から排出される、汗、便、体液などは、健康状態を反映する「バロメーター」です。
なにしろ自分の身体から排出されるのですから、これほど身近なサインはないでしょう。

とういうわけで、今回は「尿」をテーマにお話ししたいと思います。
健康維持のため、定期的な検査はモチロンのこと、日々のサインを見逃さない意識も大切ですよ。
早速見ていきましょう。

1.尿の色から推定される病気

腎臓は血液を濾過して身体に不要な老廃物を「尿」として排出する、という重要な働きを担う臓器です。
尿の「色」「量」「臭い」「泡立ち」などから、健康状態を推定することができます。

健康な人の尿は、胆汁や食物の色素が溶け込んで「淡黄色」「むぎわら色」です。
それ以外の色になると次のような病気が疑われます。


●赤色

尿に血液が混ざると血尿になります。
尿路の出血や、腎炎や腎盂腎炎あるいは腎結石といった腎臓の病気である可能性があります。


●ほとんど無色か薄い色

大量の水分摂取により色が薄くなったり無色になったりしますが、そうでない場合は糖尿病の可能性があります。


●黄褐色や褐色

肝機能に異常があると、肝臓の代謝でできた色素が尿に入り褐色になります。
急性肝炎など肝臓の病気の場合も褐色化します。
また、高熱や脱水症の時にも褐色化した尿が出ることがあります。


●オレンジ

ビタミン剤(とくにビタミンB2など)は、尿の色を明るいオレンジ色にします。
病気ではなく薬の影響ですが、これも知っておいたほうがよいでしょう。


●濁った色

通常、健康な人の尿は、排尿直後は透明ですが時間が経つと自然に濁ります。
しかし、排尿直後から濁っている尿には細菌が混ざっていることがよくあります。
また、腎炎や膀胱炎によって泌尿器が細菌に感染しているときにも尿は濁ります。

2.尿の量からみた健康

健康な成人は1日当たり0.8~1.5リットルの尿を排泄します。
排尿の回数は1日に6~8回が通常で、それ以上だと「頻尿」、以下だと「乏尿」や「無尿」と言われます。


●尿の量が極端に多い

糖尿病や腎臓の病気である場合、尿の量や回数が増え色も薄くなります。
加えて、頻繁に喉が渇き飲み物を欲します。

●頻繁におしっこがしたくなる

これがいわゆる「頻尿」です。
尿量が少なくてすぐにトイレに行きたくなる場合は、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎などが疑われます。
病気以外では、神経質な人や、緊張しているときに頻尿になることがあります。

●尿が少ない、あまり出ない

腎臓の異常によって尿を作る機能が弱くなるとこのような状態になります。
急性腎炎が代表格です。
また、食あたりを起こして「吐き下し」をしているときも、脱水症状から尿は少なくなります。

●尿がまったくでない

結石や腫瘍によって尿の通り道が塞がれているとき、あるいは、腎臓の機能が著しく低下している危険な状態のとき、尿がまったくでなくなることがあります。

他に、運動をして汗をかいた後は尿のもとになる水分自体が少なくなっているため、尿の量が少なくなる場合があります。
このときには水分補給をして身体を潤してあげてください。

3.尿の「臭い」がいつもと違う!

自分の尿の臭いをかいだことはありますか?
健康な尿はほとんど無臭だといわれます。
次のような臭いがしたときは注意する必要があります。

●甘酸っぱい

甘酸っぱく柿の腐ったような臭いは、血中のケトン体が増え血液のPhが酸性になっていると推定されます。
これを「ケトアシドーシス」と言います。
糖尿病、肝機能障害、栄養失調、脱水などによって糖をエネルギー源として使えなくなると、身体が脂肪酸やアミノ酸を代替物として使ってケトン体を産生します。

●アンモニア臭

尿がつくられてから排泄されるまでのどこか、すなわち、腎臓・尿管・膀胱・尿道において感染が生じ、尿路感染症や膀胱炎を発症しているときには、強いアンモニア臭と排尿痛をともないます。
また、ストレスや疲労から免疫力が低下して発症する尿路感染症や膀胱炎は、発熱、頻尿や残尿、ときに血尿などもともないます。

●食べ物や飲み物の影響

ニンニクやニラなど「アリシン」を含む食品は、悪臭がするアリルメチルスルフィドを産生し、汗や尿から排出されます。
また、カレーの香辛料、アルコールやコーヒー、ビタミン剤やサプリメントも、尿の臭いに影響することがあります。

●その他

新生児などにまれにみられる遺伝性疾患で、メープルシロップの匂いがする「メープルシロップ尿症」、カビやネズミ臭がする「フェニルケトン尿症」などもあります。

4.尿の泡立ち

ビールのように尿が泡立ったり、それが長時間残っていたりする場合、たんぱく質が流出し腎臓に異常をきたしている場合があります。
血液を濾過する「糸球体(しきゅうたい)」のなんらかのトラブルにより、慢性腎炎や慢性糸球体腎炎といった病気に発展することも考えられます。

また、多発性骨髄腫(がんの一種)でも、血液中のたんぱく質が異常に増えて腎臓での処理が追いつかず、尿にたんぱく質が流出して泡立つ場合があります。
さらに糖尿病では、糖分を多く摂取すると、尿に糖が出て粘度が上がり泡立つことがあります。

尿には界面活性作用のある「ウロビリノーゲン」が含まれています。
ですから、汗をかいたりして濃度が濃くなっていると泡立つのですが、このときの泡は少なくて短時間で消えるという特徴があります。

このように「尿」は量・色・臭い・泡立ちなど、さまざまな側面から健康状態を知らせてくれます。
ぜひ自分の尿をチェックする習慣をつけて健康維持に役立てましょう。

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供


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