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「アルコール依存症」の基礎知識。 診断基準と段階的な治療

2018-12-20


執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

「依存」という言葉は“何かに寄りかかる”という意味です。
お互いに依存し合う「もたれあい」は適度であれば美徳と捉えることもでき、協力や協調を大事にする文化を築き上げてきました。
しかし、それなしではいられない、そのために他のすべてを犠牲にするなど、極端な「寄りかかり」になると病的な様相を呈し「依存症」と呼ばれます。
さまざまな依存症のなかから、今回は「アルコール依存症」について解説します。

1.アルコール依存症:酒浸りがやめられない

WHO(世界保健機関)はアルコール依存症の診断にあたって、次のような基準を定めています。

●アルコールを飲みたいという強い欲望、強迫感

・終業前になると決まって飲みに行くことばかり考えている
・自宅に酒を常備しておかないと落ち着かない
・酒を入手するためなら面倒もいとわない

●アルコールの飲み方をコントロールすることが困難

・意思に反して飲んでしまう
・多量飲酒
・臓器障害を起こすまで飲む
・医師から禁止されても守れない

●飲むのを止めたり減量したりすると離脱症状(=禁断症状のこと)が出る

・イライラして落ち着かない
・発汗や微熱
・不眠
・振戦(ふるえ)
・動悸
・こむらがえり
・妄想や幻覚

●始めは少量だったが、段々と飲む量を増やさなければならない「耐性」が出る

・かつてと同量では酔えないので飲酒量が増えていく

●アルコールのために他のすべてが犠牲にされる

・飲酒のために家族と過ごす時間や会話がなくなる
・飲んでばかりいて他のことができなくなる
・休日も二日酔いでゴロゴロ寝ているばかり

●明らかに有害な結果が生じているのにやめられない

・肝臓病や高血圧などアルコールに関連した身体の病気
・抑うつ状態
・家庭内トラブル
・飲酒で信頼を失う
・飲酒運転などの違法行為
・職場や学校でのトラブル
・借金などの経済問題を抱える

診断に際しては専門医の診察が必要ですが、過去1年間で3項目以上当てはまると、アルコール依存症と診断される目安となります。

2.アルコール依存症治療の4つのステージ

アルコールや薬物など「物質依存症」については、長い治療の歴史もあって、現在では治療法がシステム化されています。一般的に次の4つの段階を経て、入院や通院による治療が進められます。

●導入期

受診段階。本人や家族が依存症を理解したうえで回復を決意し、家族や職場などが協力を覚悟する治療の初期です。
とくに暴力や自傷行為などの精神症状が出ている場合は、強制的に断酒をさせるために薬物療法を用いることもあります。

●解毒期

本人が同意して断酒をします。軽ければ通院、離脱症状などをともなう重症であれば入院します。
一時的に心身の状態が悪化するため休養も必要です。

●リハビリ前期

回復への動機づけの時期です。離脱症状から解放され比較的安定します。
自助グループ(後述)への参加も始まります。

●リハビリ後期

社会復帰と生活の安定期。
入院患者の場合は、外泊するなど仕事や日常生活に戻るための準備期です。

本人もまだ自信がなかったり、受け入れる側にも困難があったりして、スリップと呼ばれる再飲酒などのリスクもあります。
本人も家族も根気を要する時期ともいえます。

このように、導入期から社会復帰まで、薬物療法、心理療法、作業療法、レクリエーション療法、勉強会、自助グループへの参加、リハビリテーションなど、さまざまなプログラムが提供されます。
とはいえ、厚労省によると日本の場合、断酒率は治療後2~3年で28~32%、5年以降では20~30%という数値が示されています。

アルコール依存症の社会復帰がいかに難しいか、如実に物語っている結果といえるでしょう。
また、良好な転帰を果たしているのは、高齢・配偶者がいる・仕事についている・治療前の飲酒量が少ない・入院回数が少ない・治療への姿勢がよい・人格障害を持たない・リハビリテーションに励んでいる、などのケースであると報告されています。

3.自助グループの意義:悪しき依存から良好な依存へ!

アルコール依存症の代表的な自助グループとしては、断酒会AA(アルコホーリクス・アノニマス:匿名断酒会)、NA(ナルコティクス・アノニマス:匿名断薬会)などがよく知られています。

患者が主体となり、同じ悩みを持つ人たちが集まって、話し合ったり励まし合ったり、新しい生き方を模索したりします。

治療は、「断酒」という絶対に依存をしない方法によって始まります。

リハビリ期に入ると、自助グループでの活動を通して、悪しき依存ではなく良い依存としての「寄り合い」を体験学習します。こうした治療の転換は、患者さんにとって重要な意味を持つのでしょう。

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお かおるこ)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供


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